柳田泰山
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私の問い正す、書の本質
「書は楷書に始まり、楷書に終わる」父柳田泰雲の書論であった。すべての書体の基礎は楷書であり、すべての書体をこなしてこそ真の書家である。そして、書の最も奥深い美の究極は楷書である。楷書を避けて通る現代の書家を厳しく戒めた父の実践を私は継承する。
江戸時代、初代柳田正齋に始まり、明治・大正・昭和各時代を通して、二代泰麓・三代泰雲と、我が国書道界に名筆と謳われた柳田家の書業。すなわち中国古来の伝統書法を探求し、泰雲に至って完成の域に達した柳田書法を基盤として、私は独自の個性、独自の書美をどこまで発揚できるか書人として挑戦している。
高い精神性を追求することに生命を託し、柳田家四代目の継承者として、新しい書境を切り開くべく、日々精進したいと考えている。
また、自らの発願として、「百寺納経」という百の寺院に経文を謹書、多くの方々の協力を得て現在に至る。
柳田泰山 略歴
昭和25年 | 書家・泰雲の四男として東京に生まれる。 |
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昭和35年 | 10歳にして、全国学生清書コンクールにて内閣総理大臣賞を受賞。 |
昭和37年 | 全日本学生書道展にて内閣総理大臣賞を受賞。 |
昭和50年 | 新義真言宗総本山根来寺、関尚道猊下のもとで得度、約一年半の仏道修行に入る。 |
昭和52年 | 第一回讀賣新聞社主催・讀賣書道展に於いて最高賞、内閣総理大臣賞を受賞。 |
平成2年 | 墨田区役所新庁舎玄関前の館標「墨田区役所」を揮毫。 |
同時に五體千字文(楷・行・草・篆・隷)二曲屏風作品を揮毫。現在、区長室に展示される。 | |
日本テレビ、タイム21「永遠の絆」(父泰雲・母青蘭・泰山出演)放映される。 | |
平成5年 | 墨田区主催・すみだリバーサイドギャラリーに於いて「柳田四代書法展」企画開催協力。 |
11月、柳田家の書法を普及させることを目的に「泰書會」を設立。 | |
平成6年 | 4月、別格本山高幡山金剛寺に「理趣経」(大画箋半切四曲屏風・三千余字)・「不動心」(三尺×六尺軸装)など四点を作品揮毫、奉納。同、高幡不動尊寶輪閣落慶記念のため、「寶輪閣」(三尺×六尺扁額)揮毫。 |
5月、第一回「泰書展」をすみだリバーサイドギャラリーにて開催。 | |
平成7年 | 藤沢秀行名誉棋聖書展に企画協力。 |
平成10年 | 10月、浅草・浅草寺に「妙法蓮華經觀世音菩薩普門品第二十五」(大画箋半切四曲屏風・二千余字)を揮毫、奉納。 |
平成11年 | 1月、日本橋東急百貨店に於いて泰書會主催「泰門展」を開催。中国泰山風景名勝管理委員会の御後援により「泰山の風景と文物」の特別展示をする。同時に泰山管理委員会代表団を日本に招待。 |
8月、日本橋高島屋に於いて個展「泰山楷書作品展」を開催する。 | |
平成12年 | 7月、川崎大師平間寺に「空海・即身成佛義」(中画箋全紙二曲屏風・百八十六字)を奉納。 |
平成13年 | 8月、第8回泰書展を上野の森美術館に会場を移し、中華人民共和国駐日本国大使館・上野の森美術館の後援を得て開催。 |
平成14年 | 5月、日中国交正常化30周年記念に際し、人民大会堂に大画箋全紙(97cm×180cm)横額1点、釣魚臺国賓館に縦額4点、泰安市新市庁舎に「巖邃」の大字作品横額を寄贈。 |
11月、大本山成田山新勝寺に「理趣經」(大画箋半切四曲屏風・三千余字)を揮毫、奉納。 | |
平成15年 | 8月、「泰書會創立10周年記念祝賀会」を帝国ホテルにて開催。 |
平成16年 | 10月、新義真言宗総本山根来寺(和歌山県)に「理趣經」(大画箋半切四曲屏風・三千余字)を揮毫、奉納。 |
平成17年 | 9月、中国山東省臨沂市に於いて、「王羲之生誕1700年記念展」に泰書會会員86名の作品を出品。 |
10月、曹洞宗大本山永平寺(福井県)に「證道歌」(大画箋半切四曲屏風・千八百余字)を揮毫、奉納。 | |
平成18年 | 2月、中国山東省泰安市岱廟に於いて「中日友好泰山書法展」開催、泰書展代表作品を出品。 |
5月、大田区・日蓮宗大本山池上本門寺に「妙法蓮華經如来壽量品第十六」(大画箋半切四曲屏風・二千余字)を揮毫、奉納。 | |
平成20年 | 7月、百寺納経の書業、二十五箇寺にて第一部とし、作品集を芸術新聞社より刊行。 |
平成21年 | 2月、134年ぶりに再建された日蓮宗総本山身延山久遠寺・五重塔の御宝前に、法華経約七万字全八巻、巻子を謹書、奉納。 |
11月、中国・西安市青龍寺遺跡保管所に理趣経(中画箋聯落四曲屏風)を揮毫、奉納。 | |
平成22年 | 5月、温家宝総理日本公式訪問「文化界人士懇談会」出席。会場にて席上揮毫。 |
7月、柳田家四代と書の歴史を解り易く編纂した「書の道」を刊行。 | |
9月、中国・浙江省紹興市紹興文理学院・蘭亭書法芸術学院より客員教授に招聘される。 | |
11月、中国・北京市、中国美術館1号展庁に於いて個展「柳田泰山北京書法展」開催。(主催:中国対外文化交流協会、中国美術館 / 後援:資生堂麗源化粧品有限公司、富士通研究開発中心有限公司) 祝賀会を釣魚臺国賓館にて開催。 |
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平成30年 | 7月、中国との友好親善に寄与、その功績に対する外務大臣表彰を受賞。 |
柳田泰山 実績
柳田泰山の代表的な実績を一部ご紹介いたします。
温家宝総理訪日「文化界人士懇談会」に出席
ホテルニューオータニにて、温家宝総理と日中の文化関係に携わっている方々の懇談会が開催されました。
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柳田泰山北京書法展開催
中国・北京市にある中国美術館・1号展庁にて、柳田泰山北京書法展が開催されました。
※画像クリックで拡大表示できます。
柳田家の歴史
柳田家四代
【柳田正齋‐柳田泰麓‐柳田泰雲‐柳田泰山】
柳田家の書業は江戸時代の儒学者である初代正齋に始まり、二代目泰麓により確固たる地位を築くに至った。
三代目泰雲は、幼少より父の教えを受け、古典に根ざした書道の研鑽を積み、泰雲書法として動かざる書業を完成させた。その業績は現代の我が国書壇のみならず、海外へも影響を与えた。
特に中国の建国四十周年記念では、40点もの作品を中国に寄贈。
また、泰安市にある中国第一霊山「泰山」の山頂には、外国人として初めて摩崖碑「國泰民安」を建立、永久保存された。爾来、名門柳田家の書業は書道の源流を極め、頂点に達したといわれている。
四代目泰山は、父泰雲の書法を継承し、「書の真髄は泰雲楷法にあり」という真理を現在伝承しつつ、さらに独自の書法を模索している。
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